平成元年の思い出
泉野塾塾長です。
今日が平成の最後の日です。
特に何も変わらないはずなのですが。少し思い出に浸ってみます。
平成元年。
振り返りますと、やっぱり塾の講師をしていました（笑）
今はもうありませんが当時最大規模の塾でその時は、アルバイト講師でした。
その塾で、恥ずかしながら私は、高校生から「数学の神」とあがめられていました。
本当の話なのですよ。
実際のところ・・・神のわけないじゃないですか（笑）
種明かしをします。
今は違うと思いますが、当時の高校入試がメインの塾はこれはもうひどいものでした。
中学生は社員の方が担当して、本気モード。
一方高校生はアルバイトの私が担当して、社員の方はノータッチです。
授業時間は90分です。
たったの。
しかも高校生６人の個別クラスを私一人で担当させられました。
ひとりひとり順番に数学の質問に答えていくのですが、単純計算で1人につき１５分です。
何ができますか？？
受験生も混じっていますから旧帝レベルの数学の質問も毎回あるわけです。
15分で説明できるわけがありませんよね。
全員違う問題をやっていますし。
アルバイトとはいえ、わたくしプロ意識のかたまりでありますから（笑）
知恵を絞りましてあるテクニックを身につけました。
それは次のようなものです。
ひとりの質問の解説をしているときにちらっと次に質問が出そうな問題を素早くチェックします。
その後、他の５人の質問に答えながら一回りする間に頭の中で解説を考えながら解くのです。
それで一回りしてきたときに予想通りの質問がまたうまいこと来るんですね。
解説まで含めて即答です。
問題を見るや否やです。
解説を始めるのに１秒もかかりません（笑）
これを６人全員に対してするわけです。
高校生から見ますと、「問題を見た瞬間に解いた！！すごい！！ 天才！！」というひそひそ話が聞こえてきます。
６人もいますから。
私は心の中で「違うよー。回っている間に頭の中で解いてたんだよー。」と 言いたかったのですが、夢を壊したらいけませんので、表情一つ変えず「仙人」のように振る舞っていました。
昭和の名残と言うのでしょうか。
プライドです。 絶対にアルバイト代以上のことをするという。
けがの功名というもので、その経験が塾の講師としての力を一気に押し上げてくれたのだと思っています。
ただし、工夫にも限界があります。
１５分は１５分です。
いつも後味の悪い思いをしたのを覚えています。
質の高い授業をするのならば、多人数の個別クラスは設けない。
個別は二人までという私の現在のスタイルはその時の苦い経験に基づくものです。
必要は工夫の源です。
平成３１年の自分のことを書こうとしましたら・・そこは私今もあまり変わっていません（笑）
在塾生・卒塾生の方に言われた通り、この道を究めますかぁ。
さぁ令和です。
一緒にまた進んでいきましょう。
