問題集サクシードの解説の解説
泉野塾塾長です。
定期テスト前によくある会話です。
高校生: 「質問があります。」
私: 「はい。いいですよ。」 ここでサクシードの解説の冊子だけが私の眼前に現れます。よほど使い込んだのかボロボロになっています。
高校生: 「この解説のここの部分が分かりません。」 ちょっと嫌な予感がします。
予想通り。大事なところは省略してあり、解法も一般的ではないもので、あまりお勧めできない解説です
その問題を解く前提となる基本事項を口頭またはホワイトボードで確認します。これが一番大切です。
その後で 私: 「この解説は分からなければ無視していいです。この解き方は実際には使えません。 どうしても知りたいのなら説明します。」 と言ってその箇所を一応解説します。
(本当は解説したくないのですが、逃げたと思われる危険性 がありますから。(笑))
私: 「解説は当てにしたらだめですよ。」
高校生: 「当てにしたらだめなんですか??これ答えでしょ?」
完全に解説冊子依存です。
問題が分からなければすぐ解説冊子を見ます。
そこで分からなければその箇所だけを質問します。
このような高校生は大変心配です。
自分が今必要な知識が何か、自分が考えた方向性が正しかったのかということを考えて質問をしていません。
その問題の解説を理解する事だけ目的になってしまっています。
1,2年生の時はいい成績で3年生になったらいきなり成績が下がったという高校生の大半はこのパターン です。
そのやり方では元々基本的な考え方が身に付いていない可能性が高いのです。
新たに知識を習得しようとしている学習者にしっかりその知識を伝える最善の努力もせず、いきなり問題集を5周やれという人が少なからずおられるのは残念です。
学校の授業が理解できていない高校生がいきなり問題集を5周やれと言われれば、それはやりますよ。
高校入試では、そのやり方でクリアしてきたのですから。
大学入試で要求されているのはそこではない事に気がついていません。
そして解説冊子依存になっていきます。
人に聞くより楽です。
そして解説冊子で理解できないところがあるとその箇所だけは質問します。
解説が理解できない際に,考えられる原因が3つあります。
知識不足、解説の不備、解説と思考が合わない。 このどれかです。
単発の問題集の答えを出す解説の解説だけしてもどれも解決はできません。
「人」から直接学ぶという行為をこれだけ軽視する風潮はどこから来るのでしょうか。
小中学校の簡単な内容ならともかく、高校レベルでは知識の習得に関しては謙虚でないと身につきません。
知識に対してはどん欲に信頼できる人に恥ずかしがらず質問して下さい。
どこが分かっていないかをしっかり見極めて根っこから解説してくれます。
それでもう一度問題にチャレンジしてください。
問題集の使い方は解けるようになる事ではなく、自分の理解した知識なり考え方で問題解決ができるかどうかを試すのが目的です。
社会人としてこれから出会う問題のほとんどには問題集がありません。仮にあったとしてもその問題集を5周したら解決できるようなものがどれだけありますか?
高校生にとって、自立した学習習慣とは、単に人に言われなくても机に向かうという次元の低いものではなく、学問の面白さ深さを追求する姿勢だと思うのです。