法学部のススメ
泉野塾塾長です
受験生活もいよいよ本格化してきました。
私の机の上も大変なことになっています。(笑)
本来私は怠け者のはずなのですが、この仕事だけは本気になれるのが我ながら不思議です。
大学で学んだことがどれだけ人生を豊かにしてしてくれるかを私は実感として今も持っています。
現在の私の人の意見の聴き方、理解の仕方、行動基準の大部分を大学で、特に「法学」と言う学問で学んだと思っています。
それを是非高校生の皆さんにも味わっていただきたいという願いを強く持っておりますのでこの仕事を続けられているのでしょう。
私は法学部出身です。
「法学部出身です」と言いますと、よく「六法全書を覚えたのですか?」と聞かれます。
そんな訳ないじゃないですか(笑)
法学と言う学問の目的は「法解釈において論理的整合性と結果的妥当性を追求すること」だと解釈しています。
例えば、ひと言で「殺人罪」って簡単だと思うでしょ?
「人を殺した奴は全員死刑でいいんだ」みたいな議論が今風ではありますが。
そのような感情論だけで世の中の仕組みが構成されていいはずがありません。
生身の人間に「殺人罪」のレッテルを貼って処罰するのです。
前もって厳密に定義されていなければなりません。
例えば、「人を殺した」の「人」とは? と、こういうところから問題になります。
「胎児」を殺すことは殺人罪にはなりません。
別な条文がありますから。
胎児から「人」になるのはどの時点からなのか。説が多数あります。
当事者にとっては大問題です。
「殺した」とは?
例えば、父親が、子供が溺れているのを助けずに結果子供が死亡した場合「殺した」と言えますか?
ただ見ていただけですよ。
でも罰したいでしょ?
で、積極的に何もしないことも「行為」に含めましょう。
という理論構成になるのです。
そうしますと、単にそこに居合わせた赤の他人まで「殺人罪」に問われることなってしまいませんか?
こういうことを根っこから考えて妥当な結論、もちろんベストはありませんので少しでもベターな結論をひたすら追求するわけです。
その際に最も大切な事は最終目標は人間個人の尊厳であるという事であって、単なる勝ち負けが目的の屁理屈であってはならないという事です。
面白そうだと思った受験生は法学部も選択肢に入れられてはいかがでしょうか?
少なくとも、人の話をフラットな目線で聞き、いい加減な議論や責任のない発言をしないようにする姿勢は身に付きます。
この姿勢は社会人として非常に高く評価されるものだと思っています。
他の学部に行けばまた違った能力が身に付くはずです。
○○大学に行けば就職は大丈夫とかそういう夢物語はやめて、しっかり大学で人間としての魅力を身につけていただきたい。
その思いが私の机に山のように積もっているようにも見えてきます。(笑