井上尚弥選手が評価される時代について
泉野塾 塾長です。
今、日本のスポーツ選手の中で海外で最も評価の高い選手の1人は間違いなく、ボクシング世界バンタム級チャンピオンの井上尚弥選手でしょう。
日本での知名度はイマイチですが、ずば抜けた実力、具体的には、パワー、スピード、テクニック、そのボクシングの美しさはスポーツとしてのボクシングの魅力を、見る人全てに伝えるかのようです。
実力だけではなく、練習に打ち込む姿勢、あらゆる事態を想定したクレバーな対応。
試合前後の謙虚なコメント、対戦相手に示す敬意。どれをとっても超一流のプロスポーツ選手そのものです。
その中でも特筆すべきは、「強い相手としかやりたくない」という信条です。契約に盛り込まれているという話すらあります。
傲慢に聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
ここ数年ボクシングのチャンピオンの多くは勝てそうな相手を選んでマッチメイクをしていました。
亀田選手が話題になっていましたが試合は面白くなく、パフォーマンスで盛り上げるのにも限界がありました。
そういうことをやりたくないということのようです。
無敗記録より、自分を高めるために負けるかもしれない相手と試合をしたい、スポーツとしてのボクシングを極めたいということでしょう。
さて、学習に関してですが。 好きな教科を極める。
手強い、理解するのに苦労する知識、問題を楽しむ気持ちを持ってもらいたいといつも思っています。
しかし、勉強が嫌いなのに、受験が好き、なかでも学校名が特に好きな大人たちが受験に深く関わりすぎて、結果で努力の量を測る姿勢が高校生の価値観に根付いて、なかなか教科そのものに対する興味へと向かない現状があります。
自分が嫌いな勉強を生徒にやらせようとするから、学習習慣や、自立学習という言葉が何の批判もなく良い事のように言われるのではないですか。
好きならほっといてもします。
そんなものは習慣でも何でもないですし、自立とは無関係です。
誰かに褒められる達成感だけではなく、その教科そのものの持つ壁を超える達成感を是非味わって頂きたい。
そのために毎日学習に取り組む。
それが結果として圧倒的に大学受験に強い学力とメンタルを作ります。
形だけの学習習慣では現在の大学入試の数学の問題には歯が立たないことは、成績開示の結果が如実に物語っています。
ここ数年の入試問題の傾向と、合格者の数学の点数の低さが意味するものは 時代は「知っていることから考えること」「覚えることから身につけることへ」と移行し始めているということです。
無理やり作られた点数ではなく、本物の思考力が求められるようになってきています。
是非2次試験を解いてみてください。 数年前の合格者の時とは違います。
私は学問が好きです。
何故か。 美しく、面白いからです。