手順丸暗記について。
泉野塾 塾長です。
私には悩み事があります。
高校生、特に進学校と言われている1,2年生の数学・国語・英語の手順丸暗記学習が根強く、
それが「思考」へとなかなか結び付かないことです。
その方法で高校入試に合格して、その後も進研模試のような簡単な試験でいい点数をとれたりしますので、ここぞという時にはその方法に頼ってしまう気持ちはよくわかります。
しかし、残念ながら成功するのはそこまでです。 例を挙げます。
2次関数の最大最小について。
「手順暗記の人」の典型例
・とりあえず平方完成する ・aが入っていれば場合分けをする。
・最小値なら三つに分ける。
・意味は分からないけれど、左に外れたら右、中に入れば頂点、右にはずれれば左。
・解きます。
答え合わせをして合っていたらそこでおしまい。
「思考の人」
・二次関数は軸を中心に左右対称であり、下に凸の二次関数なら軸に近いほど小さくなるから、グラフを書けば最大最小がわかるはずだ。
・それならば平方完成をして軸を求めよう。
・でも、文字が入ると軸の位置が分からないから場面で分ける必要があるのでは?
・(実際に書いてみる)
・3場面に分かれる!
・解きます。
答え合わせをした後で考えをまとめます。
二次関数の最大最小は、軸を求めて、下に凸上に凸に注意しながら定義域の中でグラフを書いてみると、見た目ですべてわかるんだ。
なるほどね、
似たような場面で使ってみよう。
前者が圧倒的に多い理由を高校生の皆さんに聞きました。
「高校入試の時、塾で言われました。同じ問題を大量にやってすべてやりかたを覚えなさい。」
勉強が嫌いな人、成績が良くなかった人、教える能力がない人の発想です。
結果どうなるのかといいますと、文字aがbになると解けない。どんな場合でも3つに分ける。
というあり得ない思考停止に陥る人が進学校でも大量に発生するという事態が起こりつつあります。
少しでも型からはずれたらパニックになる人たちが将来の社会を担っていく、あるいはすでにそうなっているのかもしれません。
その弊害に気づいて今の「思考重視」路線への大学入試改革につながっているのだと希望的に推測しています。
②につづく