一橋大学2021数学第1問 解説③
泉野塾 塾長です。
それでは完結編です。
「1000以下の素数でない数を750個以上どう数えるのか」の問題を解決していきます。
1000以下の2以外の2の倍数は1000を2で割って1個引きますから499個あります。
750個には全然足りません。
3以外の3の倍数は332個ですが、6の倍数かぶっていますので166個引きます。
これで665個です。 まだまだ足りません。
5以外の5の倍数も数えます。ここからは3つの集合の個数の話になりますので、省略します。
足して足して足して、引いて引いて引いて足す。(笑)
わかりますよね?
高校一年生でもわかる集合の個数の話ですので、気になる方は各自求めておいてください。
ここからが面白いところです。
以上までで731個です。微妙に足りません。
当塾の受験生の皆様はしっかり思考できて優秀ですから、ここまではほとんどの人ができていました。
しかし最後のここで止まった人も少なからずいました。
4つの集合の個数の話に持ち込もうとした猛者もいました。(笑) それでももちろん構いません。
しかし、それだとベン図を書くだけでも大変です。(笑) それではここからどうしますか?
少し工夫して地道に数え上げるのです。たかが20個です。
例えば7,11.13.19、23などは素数ですからそれらを2組組み合わせたり(組合せの計算で行けます)していけばすぐに20個超えます。
うまく作られた問題です。
感心しました。
集合の個数はちゃんと教科書に載っている3個のもので収めていますし。 全く無理がありません。
パターン暗記をあざ笑うかのような問題です。
これが今の大学入試問題の最近の傾向を如実に示す問題です。
次の京都大学2019年の問題も似たような面白い問題です。
素数はその分布の規則性が完全には明らかではなく、(リーマン予想というのがありますが、160年後の今も証明されていない有名な難問です。)
直接数えるのが難しいこと、そして連続する整数の積が偶数になること。
(偶数はひとつおきに出てきますから2個続けばどちらかが偶数になりますね) の2点を軸にアプローチすれば解決の糸口が見えてきます。
この問題も重要な一般性を有する考え方を含みますので、授業で扱いました。
優秀さを誇る当塾の受験生をもってしても苦戦していました。(笑)
こちらの問題の方がオシャレだと私は思います。
もちろんこれも 試験時間内に考えて処理しないといけないのです。
一橋大学の問題に関しては、本当に易しい良問だと思います。
しかし、ほとんどの入試問題はこんなにシンプルではありません。
実際 同年の一橋大学の問題の全部はこうです。時間は120分です。
すべての問題の解説をお知りになりたい方は是非当塾にお越しください。
宣伝をしておきます。(笑)
複雑になればなるほど頼りになるのは「理解と思考」です。
そしてそれは、高校生に伝えることができる技術です。
問題集の解説を読んで手順暗記?おぇー。です。(笑)
今日は私、珍しく授業がなかったので、しつこく長い文になったのはご容赦ください。(笑)