文科省版アベノマスク
泉野塾 塾長です。
受験生の皆様本当にお疲れ様でした。
疲れたでしょう。
難化が確実視されコロナ禍を含めた状況も加わり、不確定要素がありすぎる状況で、例年以上に苦しかったと思います。
これからが本番です。
気持ちを切り替えて2次試験に向けてください。 今年の共通テスト解きました。
この問題をご覧ください。
何の問題だと思われますか?
数列ですよ。
この問題に今の教育行政の問題点がギュッと詰まっているような気がします。
こういうのを思考力とは言いません。
もちろん読解力とも言いません。
「受験生を小馬鹿にした自己保身問題」として大学受験史に悪名を残す天下の悪文だと思います。
思考力を狙っているのだというアピールをしたいがために目新しい設定をしました。
しかし、誤読されたらどうしよう?叩かれないように慎重にしないと。。。の結果がこれです。
目新しいだけで問題としての面白さは全く感じません。
細かく解説します。 具体的なものを抽象化する能力をおそらく問いたかったのでしょう。
自転車と歩行者が出てきていますから。
その後の問題文を読んで目を疑いました。
「数直線」上を動く?
一輪車ですか?
出題者が抽象化をしてどうするんですか?
自転車と歩行者を「点」とまた出題者が抽象化?
おまけに位置と時間の定義,馬鹿にしていますか?
そこは受験生が抽象化すべきところでしょう?
それならば最初から「2つの異る動点A、B」にすれば良いことです。
内容のない無駄な長文を読み取る力を養いたいのですか?
これはほんの一例です。
太郎さんと花子さんが会話をすれば具体的されたと、本気で思っているならばこの国は一体どこに行くのでしょう?
会話ではどちらかが問題提起らしいことを言っていますが、問題提起とはそういうものじゃあないでしょう?
それは単なる誘導です。しかも押つけがましい。
どこに受験生の思考力が入り込む余地がありますか。
そういえば一昨年から去年にかけて、コロナ対策で国や地方公共団体のHPを多数見ましたし、直接問い合わせもしました。
おおむねこういう感じでした。
要するに実のないことを自分が言っていると言う自覚もなく、理解できない国民が悪い, と言う姿勢。
とにかくちょっとでも批判されたくない。 と、そう言う問題だと思います。
これからこの手の問題が出されるのでしょう。
今のところ学校も予備校からも批判的な声は聞こえてきません。
私も塾をしている以上、対応する必要があります。
しかし、世の中にこう言う文章がありませんので結局、予備校やベネッセZ会等々が作る問題を大量に購入して、慣れていただくために解説もしないといけません。
とは言っても解説も何も単に慣れるだけですので簡単です。
この問題はただの漸化式です。問題自体は簡単です。
こういうことをやりたいのなら受験ではなくいくらでもやる場所があるでしょう?
いわゆる「大人の事情」による受験生不在の「理念なき改革」にしか見えません。
大学受験を勝手にイベント化して、自粛要請されているのもなんのその、試験会場まで乗り込んで試験会場に入っていく受験生にカメラを向けて写真を撮りブログにアップしてはしゃぐ塾まで現れて破茶滅茶です。
おそらく何にも考えていないものと思われます。
センター試験の晩年の問題の完成度の高さを見て、実はかなり期待していました。
受験生とその家庭がどれだけの準備をしてどれだけの不安と戦って試験当日を迎えるのかと言うことが全くわかっていない!!
なるほど!と言う問題をぜひ出していただきたいと切に願っています。
今回の共通テスト数学は「文科省版のアベノマスク」です。