高校における新指導要領の実施状況について
泉野塾 塾長です。
①論理と表現
②言語文化
③数学と人間活動
これは何だと思われますか?
今年の高校一年生から実施されている、新指導要領に基づく単元の名称です。
①は、今までの英語表現に、「論理」が加わりました。
「論理」は英語でやる性質のものなんですね?(笑)
② は、古典です。 ③は、数学Aのほぼ整数です。
授業の内容も一年生から聞きましたし、中間テストの内容も拝見しました。
採点の仕方も見させて頂きました
結論から申し上げますと。
今のところ特に何にも変わっていません。
変わったのは名前だけです。
このタイトルで例えばユークリッドの互除法を連想できる方が何人いらっしゃるのでしょうか?
内容も変わっていないですし、テストの計算ミス等を思考プロセスが正しくても点数を与えない現場のスタンスも何にも変わっていません。
数学ⅠAにおける期待値の復活などの小さな変更に加え、数学ⅡB以降はベクトルが数学IIIに移行して、代わりに統計が強化されました。
大きい変更に見えますが、これは単にカリキュラムの変更であって、教科書を見た限りでは、学習そのものの本質的な部分に何か変更があったようには見えません
他方、大学入試問題はここ数年で大きく変わっています。 特に数学,物理での入試問題は知識レベルを下げて思考力重視。
問題初期でケアレスミスをして答えが違っても思考プロセスが正しかった受験生は高得点をしっかり取って合格しています。
このギャップに早く気が付かないと、本当に単に手順を正確にトレースすることだけに専念して学校のテストと模試だけ点数をとり、 大学入試は白紙という受験生(いわゆる模試番長)が続出すると思われます。
と、いいますか、すでに今年の当塾の受験生の多くから、本番で周りの人が答案用紙回収の際に、白紙だらけだったという話はよく聞きました。
今の高等教育が「思考力」と言う言葉でなんとなく納得するのではなく、その具体的な意味を考えるべき段階にあることは間違いないと思います。